音楽(2)

 「eco」というのも、個人的になぜか最初は全面的に同意できる感じじゃなくて(ただ僕があまのじゃくだからかもしれないが)、仮にオレがやってもやらなくてもそんなに影響はないだろう、みたいな「ありがちな傍観者」を気取ってたわけだけど、状況はもう一刻も猶予のないのは誰にでも明らかなわけで、ちょっとしたことでもやっぱりなにかやったほうがいいのは間違いない。

 音楽のあり方も、実はけっこう猶予のない状況にあると思う。人が生きている限り音楽がなくなるることはないが、音楽があまり楽しめない状況が現にあらわれていて、これはけっこう危機的なことだ。
 音楽はしばらく長い間娯楽のひとつとして分類されてきていて、「衣食住」に関わるものとちがって人間にとって絶対なくてはこまるものじゃない(実際、僕が音楽業界に入ったときにそういったことをレクチャーされたことがある)という認識も世間ではあるとは思うが、僕はそうじゃないだろう、という気持ちがある。
 音楽は根源的に人の心に最も強く働きかけることのできるもののひとつであるのは間違いないはずだ。今までになく人の「心」の問題があちこちでとりあげられている今、単に今起きている問題は「ビジネスとしての音楽」の問題だけだと限定するのはどうか、と思う。

 とはいっても、バブル世代でちゃらちゃらと仕事してた時代も確実にあった僕は、あんまり真剣に「音楽とは!」みたいなノリになるよりは、ちょっと余裕があって遊びのあるほうが、ある種の面白いものはできるんだけどなあ、と思わないでもないけど、今はその”音楽バブル”の反動がきているのは間違いない訳で、ここはやっぱり「eco」同様に真面目になるべき時期なのかなあと思う。

 結局、解決への糸口も見つけられないまま、引き続き考えていきます。