ピアノマン〜ランディ・エデルマン

vozrecords2007-07-25

 あまり知られていないピアノマンシリーズ。ランディ・エデルマン
 映画音楽ファンの人にとっては、あまり知られていないどころか、相当なビッグネームかもしれない。毎年何本もハリウッド映画の音楽を手がけている。アクションものからコメディーまで、幅広く職人的なうまさで定評がある人だ。この人が70年代にシンガーソングライターとして活動していて、僕はかなり好きだ。ずいぶん昔に友人が彼のアルバムをわざわざアメリカのバイヤーから取り寄せて集めていると聞いて「マニアックなやつだなー」などど冷笑したこともあったけど、気づくと僕もほとんど揃えていた。(日本の中古盤店で買えた)
 なかでも1stから4枚目がすごく良くて、日本では3枚目から4枚目はCDで手に入る。最初に買ったのが3枚目の「Prime Cuts」でLPを確か渋谷のハイファイレコードで買ったはず。(まだ、お店が渋谷の消防署近くにあったころで、当時人気だった渋谷系のアーティストがよく買いに行く店としてファンには有名だった。)店頭演奏しているのをそっとのぞきこんで、棚から同じジャケットのものを探して買ったように記憶している。店で流れていたのは1曲目の「Blue Bird」で、今でもこの曲は定期的に聴いている。「人はそれぞれ違っているけど、結局みんな青い鳥や愛する人を探しているんだ」という文章にしてしまうとなんか古くさくなってしまうけど、この時代(74年)特有の都会の孤独感と彼らしいあたたかみを感じさせる曲だ。
 しかし、キャロル・キングジェイムス・テイラーの大ヒット以降、70年代前半のシンガーソングライターのジャケット写真は寂しそうなものが多い。そして、そういうのを僕はよく買っていた。考えてみると若い頃はけっこう週末なんかさびしく町をふらついて過ごすことが多かったから、そういう気分にマッチしていたのかも知れない、と今さらながら気づいた。