ピアノマン〜南青山マンダラ

 昨日は矢舟テツローのライヴがあったので南青山マンダラへ。「Piano・man・day」という男性ピアノ弾き語りシンガー4人が出るイベントだった。いま僕のレーベルでは彼と川合辰弥の2人のピアノマン作品をリリースしている。先月も代々木のブーガルピアノマン・イベントがあって2人とも出演したのだが、昨年のダニエル・パウタージェイミー・カラムのヒット以来、静かな(相当に)ピアノマン・ブームのようだ。日本でもSUEMITSU森大輔などとても才能あるアーティストが出てきている。ただ、ライヴハウスで男のピアノ弾き語りがいると時折チェックするけれど、そんなに層が厚いジャンルじゃないなあというのが正直な感想だった。ただ他にどんな人がいるかはいつもやっぱり気になってしまうのだが。
 少し遅れてしまったので、最初の高橋功さんは残念ながらよく聴けなかったが、次の枕本トクロウさんと町田俊行さんは興味深く聴いた。枕本さんはその佇まいから、ブルージ−なかなり「濃い」感じかと思ったが、確かにクセはあるが、すごくナイーヴで、しかも相当なポップセンスが随所に伺えて良かったし、T-REXのカヴァーもかなりオリジナリティーがあった。町田さんは対照的で実にオーソドックスなスタイルだが、なによりピンのヴォーカリストでもいけそうな声質を持っていた。
 矢舟テツローも含め、みんな音楽的にはまったく違うのに、「ピアノマン」というジャンルでくくられるのは、今の音楽シーンでもやっぱりかなりの少数派だという証拠なのだろう。男性がピアノを弾きながら歌う、といういたって普通のことなのに、いまだにどこか特異な雰囲気があるのはなんでだろうなあ、などと考えながら昨日は見ていた。