川口大輔ライヴ

 昨日は下北沢440で 川口大輔のライヴを見た。彼がメジャーデビューする前に作曲家としての担当みたいなことをやっていたことがあって、(とはいっても定期的に曲を聴かせてもらって、「いいね〜。」とかほめるぐらいしかやってなかったけど、)彼の代表作のひとつ、中島美嘉の「STARS」も彼が歌うラフの段階から聴かせてもらった。この曲が大ヒットした次の年、僕はオーディションの審査員の仕事でいろんな土地に行って、若い女の子たちがこの曲を歌うのを本当に数えきれないくらい聴いた。そして、ヒット曲が生まれて一般の人たちに広がるというのはこういうことなんだなあ、と感慨深い思いになったことを覚えている。
 で、彼のライヴを見るのは一年以上ぶりで、メンバーも彼と付き合いが古い(深い)、平井堅のバンドとしても有名な、そしてボズレコードものもお世話になっている石成正人さん(ギター、vividblazeや遠藤慎吾をやってもらった)、大神田智彦君(ベース、ari、遠藤慎吾)だったので興味深く楽しめた。
 そういえば、バラードの名手である彼の新しいバラードを聴いてないなあ、と思っていたら、ゲストヴォーカルのJUJUが彼の作曲である「ありがとう」という曲を披露。いかにも彼らしいメロディーの、そして実は相当レベルの高いバラードだった。
 昔話でちょっとマニアックな話になるけど、70年代の後半から80年代前半くらいのアメリカの恋愛映画の主題歌にはきれいな曲がたくさんあって、担当当時から彼のバラードにはそういうテイストを個人的に感じていた。スティーヴン・ビショップ「IT MIGHT BE YOU」(映画「トッツィー」)、ジェイムス・イングラム&パティー・オースティン「HOW DO YOU KEEP THE MUSIC PLAYING?(君に捧げるメロディー)」(映画「結婚しない族」)、バリー・マニロウ「READY TO TAKE A CHANCE AGAIN(「愛に生きる二人」)」(映画「ファウルプレイ」)、、。
 彼の曲はコードとか曲の展開とかかなり洋楽的なんだけど、サビや要所ではきちんと日本人向けにしてあって、その辺はよく考えてるんだろうなあ、と思う。前の日記にも書いたけど、バラードも大量生産されていて、相当マンネリ化傾向があるし、作曲する側も正直しんどいと思うけど、今後も彼しか書けないような、さりげなく「おおっ」って思うような展開をするバラードを書いてほしいと思った。